新型コロナウイルスに感染したあと、「急に幻覚が見えた」「混乱して話が通じなくなった」といった、それまでなかった心の不調が急に出るケースが世界中で報告されています。
今回ご紹介するのは、そういった「コロナ感染後に初めて精神や神経の病気になった人たち」についてまとめた海外の研究レビューです。
この記事は先に挙げた記事「新型コロナ感染後に突然現れる “心の病”?」をより簡略化したバージョンになります。より詳しく知りたい方は上記も読んでいただけると嬉しいです。
どんな人が症状を出しやすいの?
この研究では、コロナ感染後に初めて精神的な症状が出た人たちについて、世界中の報告を集めて調べました。
その中でわかったのは:
- 症状は感染後1〜2週間以内に急に始まる
- 多くの人は「急に混乱する」「幻覚が見える」「誰かに監視されていると感じる」などの強い不安や妄想を体験
- ただし、数週間で回復する人が多い
- コロナが重症だった人だけでなく、軽症や無症状の人でも発症するケースもある
それってコロナが原因?
実ははっきりとは言えません。ただ、いくつかの共通点があります:
- 多くの人で体内の炎症反応(熱やだるさのもと)が強く出ていた
- 血液の検査で、「体がウイルスと戦っているサイン」が高かった
- 脳の検査(MRIなど)で、軽い異常が見つかることも
つまり、コロナのウイルス自体というよりも、それに対抗する体の反応(免疫や炎症)が脳や心に影響を与えている可能性があるのです。
心のストレスも無関係じゃない
感染した人の中には、
- コロナへの強い不安(いわゆる“コロナ恐怖症”)
- 孤独な入院や隔離生活
- 生活の不安定さ
などの心理的ストレスが重なって発症した人もいます。つまり、「ウイルス」だけじゃなく、「こころの負担」も無視できません。
治療はどうするの?
- 抗精神病薬などの薬がよく効くケースが多く、
- 発症から1〜2週間で症状が落ち着く人がほとんど
- ただし、一部の人は再発や長期的な経過になることもあるため、経過観察が大事です。
この研究からわかることまとめ
- 新型コロナ後に、突然こころの病が出る人が一定数いる
- 原因は、ウイルスに対する体の反応(免疫や炎症)や心理的ストレスが重なっている可能性あり
- 早期に気づいて治療すれば改善しやすいが、長期的な見守りも必要
最後に:気になる症状が出たらすぐ相談を!
「急に混乱したり、普段と違う言動が出ている」
「幻覚や妄想のようなことを言い出した」
そんな症状が、コロナ感染後に出てきた場合は、早めに心療内科や精神科を受診することが大切です。
専門家に相談することで、早く楽になることも多いですよ。
僕自身も新型コロナウイルス後遺症がもとでうつ病を発症しました。かかりつけの医師に指摘されるまでは単純に後遺症によって不自由だから気が落ち込んでいると思い込んでいました。
しかし、治療をして振り返れば自分が自死も選択肢として頭にある異常性に気づくことができました。
メンタルにかかることは決して恥ずかしいことではありませんので気にかかるところがあればメンタルやメンタル併設のカウンセリングなどを受けることを経験者としてお勧めします。
参考にした論文
First episode of psychiatric and neuropsychiatric disease among patients infected with COVID‐19: A scoping review
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